ホーム › コインランドリー開業に必要なもの7項目を徹底解説|費用と手順も

コインランドリー開業に必要なもの7項目を徹底解説|費用と手順も

村田 誠一 / 更新:2026-06-18
コインランドリー開業に必要なもの7項目を徹底解説|費用と手順も
コインランドリーを開業したいけれど、結局のところ何を用意すればいいのか。私が開業相談を受けると、まずここで皆さん手が止まります。

結論を先に言うと、必要なものは「設備・物件・資金・許認可」の4つに集約できます。専門の免許はいりませんが、保健所への届出は必須。そして資金は規模により2,000万円~4,000万円が目安です。

この記事では、4つの要素の中身と費用感、保健所などへの届出、開業までの6ステップ、さらに失敗例から見える「見落としがちな必要なもの」まで、私が取材した現場の実態を交えて整理します。

コインランドリー開業に必要なものとは?まず押さえる全体像

コインランドリー経営の費用はいくら? 開業にかかる機器代と儲かる方法とは
コインランドリー経営の費用はいくら? 開業にかかる機器代と儲かる方法とは

必要なものを一つひとつ列挙すると膨大に見えます。でも分類してしまえば迷いません。私はいつも相談者に「4つの箱に入れて考えてください」と伝えています。

ひとつ大事な前提を共有します。コインランドリー開業に専門的な免許は不要です。ただし、保健所への「コインオペレーションクリーニング営業施設開設届」の提出と検査済証の交付は必須。ここを知らずに工事を進めて慌てる人が、実際にいます。

必要なものを「設備・物件・資金・許認可」の4つに整理

頭の中を整理するために、まず全体像を表にします。これが開業準備の地図です。

コインランドリー開業に必要なもの4分類
分類主な中身
設備・機器洗濯乾燥機、乾燥機、縦型洗濯機、両替機、内装・看板工事、備品・消耗品
物件出店場所、賃貸契約または自己所有地、電気・ガス・水道の引込
資金機器代、店舗工事費、物件取得費、運営資金
許認可・届出保健所への開設届と検査、消防署、税務署への開業届

機器・店舗工事・備品・宣伝ツールが「準備物」、保健所などへの届出が「手続き」。この2軸を押さえれば抜けは防げます。

個人経営とフランチャイズで必要なものはどう変わるか

正直に言うと、ここで多くの人が悩みます。私の意見は明確で、初めての開業ならフランチャイズ寄りに検討する価値が高い。理由は、立地調査と機器選定という最も失敗しやすい部分をサポートしてもらえるからです。

ただし両者で「必要なもの」の中身が変わります。個人経営はしっかりした事業計画と収支計画を自力で作る必要があり、フランチャイズは加盟金やロイヤリティという追加の資金が必要です。

個人経営とフランチャイズで必要なものの違い
項目個人経営フランチャイズ
事業計画・収支計画自力で作成本部のノウハウを利用できる
立地調査自分で実施本部の調査を活用
機器選定自分で比較・選定本部の推奨機種
追加で必要な資金原則なし加盟金・ロイヤリティ

なお、フランチャイズ各社の加盟金やロイヤリティの実数値は契約により幅があります。私が確認できた範囲では具体的な統一基準はなく、契約前に必ず書面で確認すべき項目です。ここは数字を断定せず、各社へ直接問い合わせるのが安全だと考えます。

開業に必要な設備・機器と物件の準備

4分類のうち、最もお金がかかるのが設備と物件です。ここの見積もりがブレると、収支計画ごと崩れます。

開業に必要な設備・機器と物件の準備

機器代の目安は公開されています。縦型洗濯機が1台15万~30万円、ドラム式が50万~200万円、乾燥機が80万~100万円、洗濯乾燥機は200万~300万円。この幅の広さが、規模で資金が大きく変わる理由です。

洗濯機・乾燥機・両替機など必要な機器一覧

必須機器は洗濯乾燥機、乾燥機、縦型洗濯機。さらに両替機がないと無人運営は回りません。畳み台やベンチも利用者の滞在体験を左右します。

主な機器の価格目安(1台あたり)
機器価格目安
洗濯機(縦型)15万~30万円
洗濯機(ドラム式)50万~200万円
乾燥機80万~100万円
洗濯乾燥機200万~300万円

私が取材したオーナーの実感では、ドラム式と洗濯乾燥機の構成比で総額が大きく動きます。容量・機種の組み合わせは、想定客層を決めてから選ぶのが鉄則です。

物件取得と賃貸契約で確認すること

賃貸の場合、物件取得費は前家賃に加えて敷金・保証金がおよそ10カ月分、礼金がおよそ2カ月分が目安です。自己所有地ならこの費用は不要になります。

契約で見落としがちなのが原状回復義務です。重い機器を据え付け、給排水や電気を引き込むため、退去時の費用が高額になりやすい。契約書の原状回復の範囲は、署名前に必ず詰めてください。

電気・ガス・水道の引込工事と必要な電気容量

見積もりに入れ忘れやすいのが引込工事です。乾燥機はガスや大容量電源を使うため、既存設備のままでは足りないことが珍しくありません。

電気容量が不足すると増設工事が発生し、想定外の出費になります。物件を決める前に、電気・ガス・水道の現状容量を確認しておく。これは私が相談者に必ず念押しするポイントです。

開業に必要な資金とランニングコストの目安

一番の関心事はここでしょう。先に数字を出します。開業資金の目安は立地・規模・形態により3,000万円~4,000万円程度(建築費を含めない場合)。決して小さくありません。

開業に必要な資金とランニングコストの目安

初期費用の内訳と用意する資金の目安

規模別の目安が公開されています。坪数で資金感が大きく変わるので、自分の想定店舗に当てはめてみてください。

規模別の開業資金目安(建築費を含めない場合)
店舗規模開業資金の目安
小規模(約15坪以下)1,500万円~2,000万円
中規模(約20坪前後)2,500万円~3,000万円
大規模(約30坪以上)3,500万円~4,000万円

具体例も押さえておきます。月売上約80万円を想定した15坪店舗で、初期費用が約2,300万円、運営資金が月額約45万円というモデルが示されています。

念のため釘を刺しておくと、開業資金0円での開業は不可能です。土地・建物・機器・工事と多額の準備物がある以上、ここは現実を直視するしかありません。

開業後にかかるランニングコストと抑え方

先ほどの15坪モデルでは運営資金が月額約45万円。内訳は家賃、水道光熱費、メンテナンス費、清掃などです。

私の立場をはっきり言うと、設備メンテナンス費と清掃はケチってはいけません。故障放置と汚れた店内は、リピーターを一瞬で失う二大要因です。削るなら他で削る。

利用できる融資・補助金・助成金の選び方

資金調達の柱は日本政策金融公庫の融資です。創業期の事業者がまず検討する窓口です。

補助金では、商工会議所の「小規模事業者持続化補助金」、中小企業庁の「ものづくり補助金」「事業再構築補助金」などが活用候補に挙がります。公募時期や要件は年度で変わるため、申請前に最新の公募要領を確認してください。

開業に必要な手続き・許認可と法的な届出

【衝撃】初期費用1500万円の回収に8年!?コインランドリー経営の特徴や赤字リスクとは?レンタルスペース運営と比較しながら徹底解説します。【レンタルスペース】
【衝撃】初期費用1500万円の回収に8年!?コインランドリー経営の特徴や赤字リスクとは?レンタルスペース運営と比較しながら徹底解説します。【レンタルスペース】

準備物がそろっても、届出を怠れば開業できません。冒頭でも触れたとおり、免許は不要でも保健所の検査済証が前提です。

保健所への届出が必要になるケース

必要なのは保健所への「コインオペレーションクリーニング営業施設開設届」。提出後、保健所職員による現地検査で設備設置基準が確認され、問題なければ検査済証が交付されて開業可能になります。

ひとつ注意点。許認可や施設基準は国ではなく各自治体が定めており、自治体によっては工事前の届出を推奨・義務化している場合があります。工事してから基準違反が判明するのが最悪のパターン。だから着工前に管轄保健所へ相談すべきなのです。

なお、ドライ機(乾燥機)を設置しない場合は衛生管理者のみで申請でき、有機溶剤管理責任者は兼務できます。

建築基準法・水質汚濁防止法など関わる法令

届出は保健所だけではありません。消防署への消防法令適合通知書、税務署への開業届も必要です。

建築基準法や水質汚濁防止法など、店舗の構造や排水に関わる法令は物件ごとに判断が分かれます。ここは自己判断せず、設計段階で専門業者と自治体に確認する。素人が読み解くには重すぎる領域だと、私は率直に思います。

開業に伴う税務・確定申告の基本

事業を始めたら税務署へ開業届を出します。あわせて青色申告の承認申請をしておくと、節税の選択肢が広がります。

コインランドリーは機器という高額な固定資産を持つため、減価償却の扱いが収支に大きく影響します。中小企業診断士として言えるのは、税務の設計は開業前から税理士と相談しておくほうが、結局は得だということ。後追いでは打てる手が減ります。

コインランドリー開業までの流れ6ステップ

必要なものが見えたら、順番が問題になります。手をつける順序を間違えると、手戻りで時間とお金を失います。私が支援で使う6ステップを示します。

コインランドリー開業までの流れ6ステップ

費用把握から収支計画・立地調査まで

開業までの6ステップ
ステップやること
1初期費用やランニングコストを把握する
2競合他社の売上を調査し収支計画を立てる
3個人経営かフランチャイズかを決める
4立地調査をしてニーズのある土地を選定する
5店舗を建設し機材を設置する
6保健所に必要書類を提出する

順番のキモはステップ1~2です。費用を把握し、競合売上から収支計画を立ててから方式を選ぶ。数字なしで「FCにするか個人にするか」を先に悩むのは順番が逆です。

店舗建設・機材設置から届出提出まで

立地が決まったら店舗建設と機材設置に進み、最後に保健所へ届出を出して検査を受けます。ただし前述のとおり、自治体次第では工事前届出が必要です。ステップ6を待たず、ステップ4~5の前に保健所へ一報を入れておく。これが実務での安全策です。

開業後の運営に必要なものと集客の準備

開業はゴールではありません。むしろここから。無人運営の体制と集客の仕組みが「開業後に必要なもの」です。

開業後の運営に必要なものと集客の準備

清掃・両替・防犯など無人運営の体制づくり

無人だからこそ、清掃・両替対応・防犯の仕組みが要ります。両替機の現金補充、定期清掃、防犯カメラの設置。これらは宣伝ツール(チラシ・のぼり・ホームページ)と並ぶ必須準備です。

私が取材したオーナーが口をそろえるのは「盗難とクレームは必ず起きる前提で備える」ということ。防犯カメラは記録だけでなく抑止にも効きます。トラブル時の連絡先掲示も忘れずに。

リピーターを増やす集客と差別化の工夫

コインランドリーは立地商売であると同時にリピート商売です。開業前後の地道な顧客開発が効きます。SNSやキャッシュレス決済、ポイント制度の導入は、来店のきっかけと再来店の動機を作ります。

差別化の一案として、乾燥のみ特化や宅配クリーニングの併設なども候補になります。ただし手を広げすぎると運営が重くなる。まずは清潔と稼働の安定。奇をてらう前に基本を固めるのが、私の勧める順番です。

【独自視点】開業者の失敗例から学ぶ「見落としがちな必要なもの」

【開業者必見】コインランドリー開業のための出店エリア選び
【開業者必見】コインランドリー開業のための出店エリア選び

ここが他では読めない部分です。私が見てきた失敗には共通パターンがあります。設備や届出よりも、見落とされるのは「余白の資金」と「立地の検証」。

スモールスタートで投資を抑える考え方

失敗で多いのが、最初から大規模店を狙って初期費用が膨らむケースです。規模別目安でいえば、小規模15坪以下なら1,500万円~2,000万円で収まります。

私の立場は明確です。初挑戦ならスモールスタート。儲かる手応えをつかんでから増設や2号店を考える。最初に背伸びして資金を回収できなくなる方が、よほど怖い。

立地調査とランニングコスト管理の落とし穴

もうひとつの落とし穴が立地の読み違いです。フランチャイズ本部の例では、8坪程度で月売上約47万円、13~20坪で約50万~150万円という幅が示されています。同じ規模でも立地で売上は数倍変わる。

だからこそステップ4の立地調査は外注してでも丁寧にやる。そして開業後はランニングコストを記録し、想定との差を毎月見る。この地味な管理を続けられるかどうかが、軌道に乗るか沈むかの分かれ目だと私は考えています。

コインランドリー開業の必要なものに関するよくある質問

よくある質問

コインランドリー開業に必要なものとは?
大きく「設備・物件・資金・許認可」の4つです。設備は洗濯乾燥機・乾燥機・縦型洗濯機・両替機など、物件は出店場所と電気・ガス・水道の引込、許認可は保健所への開設届と検査済証が中心になります。専門の免許は不要ですが、保健所への届出は必須です。
コインランドリー開業 必要なものの費用は?
立地・規模・形態によりますが、建築費を含めない場合で3,000万円~4,000万円程度が目安です。規模別では小規模15坪以下で1,500万円~2,000万円、中規模20坪前後で2,500万円~3,000万円、大規模30坪以上で3,500万円~4,000万円が公開されています。
コインランドリー開業 必要なものの始め方は?
6ステップで進めます。初期費用とランニングコストの把握、競合売上を調べて収支計画を立てる、個人かフランチャイズかを決める、立地調査、店舗建設と機材設置、保健所への届出提出の順です。自治体によっては工事前の届出が必要なので、着工前に管轄保健所へ相談しておくと安全です。

最後に、次の一歩だけ決めておきましょう。まずは想定する坪数を一つ仮置きして、規模別の資金目安に当てはめてみる。その数字を持って、保健所と金融公庫に相談する。動き出すと、あいまいだった不安が具体的な検討事項に変わります。

コインランドリー開業の必要なものに関するよくある質問
この記事について質問できますAIが記事をもとに答えます
こんにちは。この記事について、下の候補から選ぶか、自由に質問できます。

村田 誠一

中小企業診断士(登録番号保有) ・ コインランドリー開業オーナー10名以上への取材実績
開業支援コンサルタント歴12年

中小企業診断士として独立系事業者の開業支援に10年以上携わり、コインランドリー事業については実際の開業オーナーへの取材や収支データの収集を重ねながら記事を執筆しています。数字の裏付けと現場の実態を大切に、読者が自分ごととして判断できる情報を届けることを心がけています。

メルマガ登録

村田 誠一
村田 誠一
中小企業診断士として独立系事業者の開業支援に10年以上携わり、コインランドリー事業については実際の開業オーナーへの取材や収支データの収集を重ねながら記事を執筆しています。数字の裏付

記事には書ききれない現場のリアルや最新の動きを、わたしから直接メルマガでお届けします。よかったら登録してください。

登録は無料・いつでも解除できます。