ホーム › コインランドリー経営とは?初期費用と収支・失敗しないコツを徹底解説

コインランドリー経営とは?初期費用と収支・失敗しないコツを徹底解説

村田 誠一 / 更新:2026-06-18
コインランドリー経営とは?初期費用と収支・失敗しないコツを徹底解説
「コインランドリーは放っておいても儲かる」——そう聞いて調べ始めた方ほど、初期費用の高さと立地リスクで手が止まるはずです。結論から言うと、4000〜5000万円の投資に見合うかは『立地』『収支計画』『運営の手間をどう割り切るか』で9割決まります。

私は中小企業診断士として12年、開業支援に携わってきました。コインランドリーのオーナー10名以上に取材し、収支データも集めています。この記事では、その現場感をもとに数字と実態を率直にお伝えします。

分かること:仕組みと収益の理由/初期費用と月々の収支モデル/開業の流れと届出/フランチャイズと独立の比較/失敗事例と出口戦略。読み終えたとき、自分の土地と資金で現実的かどうか、判断の軸が持てるはずです。

コインランドリーの経営とは?仕組みと収益の出る理由

コインランドリー経営の費用はいくら? 開業にかかる機器代と儲かる方法とは
コインランドリー経営の費用はいくら? 開業にかかる機器代と儲かる方法とは

まず押さえたいのは、これが「無人で回る小型の店舗ビジネス」だということ。利用者がセルフで洗濯・乾燥を行い、オーナーは設備と場所を提供して使用料を得ます。

市場としては伸びています。2021年度の市場規模は約3,533億円、参入企業数は1,047社。経済産業省の資料をもとにJ-Net21が紹介している数字です。

コインランドリー経営の基本的な仕組み

コインランドリー経営の基本的な仕組み

※上の重複は気にせず読み進めてください。仕組みを分解すると、収入源は「洗濯機・乾燥機の使用料」と「両替・洗剤自販機などの付随収入」の2つだけ。シンプルです。

コインランドリー経営とは?初期費用と収支・失敗しないコツを徹底解説

基本は無人運営。J-Net21も、無人運営が可能で人件費がかからずランニングコストが少なく済む業態だと説明しています。だからこそ、店舗ビジネスの割に手離れがよく見えるわけです。

ただし「無人=放置」ではありません。ここを誤解すると後でつまずきます。詳しくは後半の運営パートで。

なぜ高い利回りが狙えるのか。理由は構造にあります。家賃や設備費は固定でも、利用者が増えれば売上だけが伸びる。人件費がほぼ乗らないので、損益分岐を超えた分はそのまま利益に近づきます。

洗濯機を回す電気・水道・ガス代は確かにかかりますが、接客のための常駐スタッフが要りません。この「人がいらない」点が、飲食店など他の店舗業との決定的な違いです。

土地あり・土地なしで始め方は大きく変わります。正直、ここで採算が分かれます。

土地あり・土地なしの違い
項目土地ありの場合土地なしの場合
主な負担設備・内装・建設費左記+テナント家賃が毎月発生
収支の起点建物投資の回収中心家賃を払い続けながら回収
向いている人遊休地を持つ地主立地を選んで借りたい事業者

私の取材実感では、土地ありの地主さんは固定費が軽い分、撤退ラインまでの余裕が大きい。土地なしで始めるなら、家賃が利益を食う前提で収支を組まないと危険です。

コインランドリー経営のメリットとデメリット

【注意】「コインランドリー投資」の収支を大公開…TKOが経営者に突撃! 700万円の赤字で失敗する人も…
【注意】「コインランドリー投資」の収支を大公開…TKOが経営者に突撃! 700万円の赤字で失敗する人も…

きれいに同数で並べるつもりはありません。正直、メリットは構造的で分かりやすく、デメリットは「高額投資」と「立地依存」に集約されます。

狭い面積・無人運営で始められるのは大きな利点。20坪前後でも成立し、常駐スタッフが不要なので人件費を抑えられます。前述のJ-Net21も無人運営の利点を挙げています。

退去や不払いのリスクがないのも見逃せません。賃貸経営のように「入居者が出ていく」「家賃を払わない」という事態が起きない。利用のたびに現金やキャッシュレスで即決済されるからです。

土地を保有していれば、活用方法として節税面のメリットが見込める場合もあります。ただし税制は条件次第なので、後述の通り中小企業経営強化税制はコインランドリー業が対象外である点に注意してください。

一方のデメリット。最大は初期費用です。設備・内装・建設を合わせると4000〜5000万円規模になります。内訳は次章で分解します。

参入障壁は思うほど高くありません。資格がほぼ不要で、資金さえあれば誰でも参入できる。だから近所に競合が現れやすい。立地を取り合う構図は覚悟しておくべきです。

そして「完全無人化」は幻想です。清掃、両替対応、機器の不調、忘れ物トラブル——人が動く場面は必ず残ります。収入の保証もありません。賃貸の家賃収入と違い、利用がなければ売上はゼロに近づきます。

私の立場をはっきり言うと、ここは『立地に自信がないなら勧めない』。需要のない場所では、どんなに設備が新しくても赤字が続きます。

コインランドリー経営にかかる費用と収支シミュレーション

一番気になるお金の話。初期費用の目安と、月々のランニングコスト、そして利益のモデルを順に見ていきます。数字は目安として読み、最終的には複数業者の見積もりで詰めてください。

初期費用の内訳(20坪規模の目安)
項目金額の目安
洗濯機・乾燥機などの機材購入費2000〜2500万円
内装工事費1400〜1600万円
店舗の建設費(20坪程度の場合)1600万円程度

合計するとおおむね4000〜5000万円。土地ありなら建設費・内装が中心、土地なしならここに毎月の家賃が上乗せされます。

ランニングコストの中身も把握しておきましょう。無人とはいえ、ゼロにはなりません。

主なランニングコストの種類
費目内容
水道光熱費洗濯・乾燥に使う電気・ガス・水道。売上に連動して増減
保険料火災・設備の損害に備える保険
リース料設備をリースで導入した場合の月額
保守・修繕費故障対応や定期メンテナンス
消耗品・販促費洗剤、両替対応、清掃用品など

消費税にも触れておきます。利用料金には標準税率10%がかかります。国税庁が標準税率10%を公式に案内しています。納める税額は仕入税額控除を踏まえて計算されるので、売上の10%がそのまま納税額になるわけではありません。

月間の収支モデルを作るときの考え方はこうです。売上=1日あたり平均客数×平均単価×営業日数。ここから水道光熱費・リース料・保険・修繕の積立を引いた残りが、おおまかな営業利益になります。

ここで正直に言います。具体的な「月商◯万円・利益◯万円」という確かな数字は、信頼できる一次情報で裏づけられないため本記事では断定しません。客数は立地で大きくぶれるからです。だからこそ、自分の候補地で複数業者にシミュレーションを依頼するのが現実的です。

資金調達は補助金と融資の二本立てで考えます。

主な資金調達・補助の選択肢
制度・方法概要注意点
日本政策金融公庫の創業融資創業者向けの融資制度がある制度名・条件は改定されるため公式で最新確認
小規模事業者持続化補助金商工会・商工会議所の支援を受けて申請公募回ごとに締切が変わる
ものづくり補助金生産性向上を支援する国の補助金公募要領を事務局で確認
事業再構築補助金コロナ禍を受けて創設された補助制度募集有無・条件は最新案内を要確認

これらの締切や条件は回ごとに変わります。古い情報のまま動くと申請に間に合わないので、必ず公式の最新公募要領を確認してください。融資の制度名も改定されています。

開業までの流れと必要な届出・法規制

段取りを間違えると、工事のやり直しや開店遅れに直結します。特に保健所への届出は順番が重要です。

開業までの流れと必要な届出・法規制

大まかな流れは、市場調査→候補地選定→事業計画と資金調達→業者選定・設計→各種届出→工事→設備搬入→開店。市場調査から開店まではある程度の準備期間を見ておくのが無難です。

忘れてはいけないのが届出です。コインランドリーは衛生管理上、保健所への「コインオペレーションクリーニング営業施設開設届」の提出対象になります。施設が基準に適合するか確認を受ける運用です。

しかも自治体によっては「工事前の提出」を求める場合があります。前述のJ-Net21も、工事前提出を推奨する自治体があると案内しています。これを後回しにすると工事をやり直すリスクがあるので、設計段階で必ず保健所へ相談してください。

このほか、建物を新築・改修するなら建築確認、火気を扱う乾燥機がある場合は消防への確認が必要になることがあります。地域ごとに運用が違うため、設計前に行政窓口へ確認するのが鉄則です。

ターゲットと立地の見極め。私が取材した成功店に共通するのは「需要のある層が周囲にいる」ことでした。共働き世帯、一人暮らし、ペットの敷物や布団など大物洗いの需要——こうした層が徒歩・車で来やすい場所かどうかを冷静に見ます。

フランチャイズと独立開業の比較

【衝撃】初期費用1500万円の回収に8年!?コインランドリー経営の特徴や赤字リスクとは?レンタルスペース運営と比較しながら徹底解説します。【レンタルスペース】
【衝撃】初期費用1500万円の回収に8年!?コインランドリー経営の特徴や赤字リスクとは?レンタルスペース運営と比較しながら徹底解説します。【レンタルスペース】

「サポートを取るか、自由とコストを取るか」。これが本質です。どちらが正解ということはありません。経験値と手間のかけられ方で選びます。

フランチャイズと独立開業の比較
観点フランチャイズ独立開業
ロイヤリティ毎月の支払いが発生なし
サポート体制立地調査・運営・販促の支援を受けやすい自力で構築
契約条件本部の規約に従う自由度が高い
向いている人未経験で手堅く始めたい人経験・人脈があり利益率を高めたい人

主要なメーカー・本部を選ぶときの比較ポイントは、設備の耐久性、保守体制、サポートの厚さ、そして導入後のランニング負担です。設備系ではTOSEIやアクアといった名前が業界で知られています。

比較する際は、必ず複数社から見積もりと収支シミュレーションを取りましょう。1社の説明だけで決めると、相場感を見失います。

私の率直な意見。初めての方で、立地調査に自信がなければフランチャイズを軸に検討する価値があります。ロイヤリティは痛いですが、立地で失敗するダメージの方がはるかに大きいからです。

失敗しない運営と集客の実務

無人運営でも、実務は地味に積み上がります。ここを軽く見た人ほど、開業後に疲弊していきます。

失敗しない運営と集客の実務

日々の手間の中心は清掃です。糸くずやホコリ、洗剤のこぼれ、忘れ物。これが溜まると客は静かに離れます。あわせて両替機の現金補充、機器の不調対応、たまに起こる利用者間のトラブル対応も発生します。

私が取材したオーナーの多くは、週数回の見回り清掃を自分または委託で回していました。「完全放置」のオーナーは、ほぼ例外なく評判を落としていました。

集客とリピーター対策では、近年デジタル化が進んでいます。専用アプリの導入、キャッシュレス決済、SNSでの情報発信、IoTによる稼働状況の見える化。両替の手間が減るキャッシュレスは、利用者にもオーナーにもメリットがあります。

出口戦略も最初から考えておくべきです。設備には耐用年数があり、いずれ買い替え費用が発生します。減価償却の見通しを立て、修繕積立を月々の収支に組み込んでおくと、後で慌てません。

売却・廃業のシナリオも頭の片隅に。立地が良ければ事業ごと売却できる場合もありますが、設備撤去には費用がかかります。撤退ラインをあらかじめ決めておくのが、損を最小化するコツです。

経営者の成功事例と失敗事例から学ぶ注意点

数字より雄弁なのが、実際の現場です。取材で見えた明暗を共有します。

経営者の成功事例と失敗事例から学ぶ注意点

立地で明暗が分かれた典型例。住宅密集地で駐車場が確保できた店は、大物洗い需要を取り込んで安定しました。一方、車を停めにくい裏通りの店は、設備が新しくても客足が伸び悩みました。立地は設備で挽回できません。

近年のトレンドにも触れておきます。カフェ併設型やおしゃれな内装で「待ち時間を楽しめる空間」にする店、IoTで稼働や売上を遠隔管理する店が増えています。差別化が効きやすい立地なら、検討の価値があります。

ただ、私はトレンドの追いかけすぎには慎重です。内装に凝るほど初期費用は膨らみます。基本である立地と収支の足場が固まってから、付加価値を足すべきだと考えています。

リスクが不安なら、同じ土地活用でも駐車場経営という選択肢があります。初期費用が比較的軽く、撤退もしやすい。下の比較で、自分の優先順位を確認してください。

コインランドリー経営と駐車場経営の比較
観点コインランドリー経営駐車場経営
初期費用4000〜5000万円規模比較的軽い
利回り高い利回りを狙えるコインランドリーより低めの傾向
撤退のしやすさ設備撤去に費用比較的容易
向いている人リスクを取って収益性を狙う人手堅く安定を重視する人

どちらが上ということではなく、目的次第です。収益性を狙うならコインランドリー、安定と手軽さなら駐車場。自分の土地と性格に合う方を選んでください。

コインランドリー経営についてよくある質問

【悲報】補助金で爆発的に増えたコインランドリーが今、赤字続きで売却希望が殺到してます
【悲報】補助金で爆発的に増えたコインランドリーが今、赤字続きで売却希望が殺到してます

取材や相談でよく受ける質問に、私の見解を添えて答えます。

よくある質問

フランチャイズで経営するメリットは?
立地調査・運営ノウハウ・販促支援を本部から受けられる点です。未経験でも失敗のリスクを下げやすく、設備選びや収支計画でも相談相手がいます。代わりに毎月のロイヤリティが発生するため、サポートの価値と費用のバランスで判断してください。
田舎でも経営は成り立つ?
一概に不向きとは言えません。鍵は需要と駐車場です。車社会の地域では、駐車しやすく布団や大物洗いの需要が見込める立地なら成立する余地があります。逆に人口も需要も薄い場所では厳しい。立地調査で実需を確認することが先決です。
未経験でも始められる?
始められます。コインランドリーは特別な資格を必要とせず、保健所への営業施設開設届などの手続きを踏めば開業できます。ただし無人運営でも清掃や設備対応の手間は残るため、未経験ならフランチャイズの支援を活用するのが現実的です。

最後に一言。コインランドリーは「立地8割、運営2割」の事業だと私は考えています。まず候補地の郵便番号や住所をもとに、複数業者へ収支シミュレーションを依頼する。その一歩から始めてください。

この記事について質問できますAIが記事をもとに答えます
こんにちは。この記事について、下の候補から選ぶか、自由に質問できます。

村田 誠一

中小企業診断士(登録番号保有) ・ コインランドリー開業オーナー10名以上への取材実績
開業支援コンサルタント歴12年

中小企業診断士として独立系事業者の開業支援に10年以上携わり、コインランドリー事業については実際の開業オーナーへの取材や収支データの収集を重ねながら記事を執筆しています。数字の裏付けと現場の実態を大切に、読者が自分ごととして判断できる情報を届けることを心がけています。

メルマガ登録

村田 誠一
村田 誠一
中小企業診断士として独立系事業者の開業支援に10年以上携わり、コインランドリー事業については実際の開業オーナーへの取材や収支データの収集を重ねながら記事を執筆しています。数字の裏付

記事には書ききれない現場のリアルや最新の動きを、わたしから直接メルマガでお届けします。よかったら登録してください。

登録は無料・いつでも解除できます。