コインランドリー経営の年収は?費用・始め方と収益を上げる方法を解説

私は中小企業診断士として独立系事業者の開業支援に12年携わり、コインランドリーの開業オーナー10名以上に取材してきました。この記事では、その現場で見てきた実態をもとに書きます。
分かるのは、個人経営とフランチャイズの収益差、初期費用とランニングコストの中身、損益分岐点の考え方、失敗を避ける方法、そして始め方の5ステップです。誇張した成功事例ではなく、赤字になる場合も含めて率直に書きます。
コインランドリー経営の年収はどのくらい?まず結論

年収の目安は300〜400万円。これは複数の業界サイトの試算で共通して出てくる数字です。ただし公的統計ではなく、あくまで店舗条件に依存する推計値だという点は最初に押さえておいてください。
コインランドリー経営とは(仕組みの基本)
コインランドリー経営とは、洗濯機・乾燥機を店舗に設置し、利用者が自分で使った分だけ料金を払う無人型のビジネスです。店員を常駐させない代わりに、設備とテナント、光熱費でほとんどのコストが決まります。
利用1回あたりの料金は300円〜800円程度。洗濯・乾燥・布団などメニューで単価が変わります。
個人経営の場合の年収
個人経営は、フランチャイズのロイヤリティが発生しない分、売上がそのまま手元に残りやすいのが強みです。利回りの目安は8〜12%、または平均約8%という記載が業界サイトに見られます。
ただし、これは裏を返せば立地選定も設備選びも全部自分でやるということ。最初の店舗で失敗すると、相談相手がいないまま赤字を抱え込むリスクがあります。私が取材した中でも、最初の1店舗目は手探りだったというオーナーが多かった。
フランチャイズ経営の場合の年収
フランチャイズは本部のノウハウや立地調査、機器選定の支援を受けられる代わりに、初期費用とロイヤリティがかかります。加盟金は約50万〜300万円、保証金は100万円程度、ロイヤリティは売上の5〜10%という記載があります。
月収換算では30万〜60万円程度という試算も見られますが、ここからロイヤリティが引かれる点を忘れないでください。
| 項目 | 個人経営 | フランチャイズ |
|---|---|---|
| 加盟金 | 不要 | 約50万〜300万円 |
| 保証金 | 物件による | 100万円程度 |
| ロイヤリティ | なし | 売上の5〜10% |
| 開業支援 | 自分で行う | 本部の支援あり |
| 利回りの目安 | 8〜12%(平均約8%) | ロイヤリティ控除後で低下 |
土地・物件の所有形態別の収益比較
同じ売上でも、テナント賃料の有無で手残りは大きく変わります。自己所有の土地・建物なら家賃ゼロで、これが利回りを底上げします。相続した土地の活用としてコインランドリーが選ばれるのはこのためです。
正直に言うと、賃貸物件でゼロから始める場合は、家賃が固定費として重くのしかかります。私の感覚では、自己所有か否かで損益分岐点の到達しやすさが体感で大きく違う。土地があるなら、その分だけ有利なスタートだと考えてください。
コインランドリー経営にかかる費用の内訳
初期投資は数千万円規模。資料によっては1,500万〜5,000万円程度という幅が示されています。ここでつまずくと回収が遠のくので、内訳を分けて見ていきます。

初期費用の目安
初期費用の大半は洗濯機・乾燥機の設備費と、内装・電気ガス工事費です。業界資料では初期投資1,500万〜5,000万円程度という幅が示されています。この差は店舗規模と設備の台数・グレードによるものです。
フランチャイズの場合は、ここに加盟金約50万〜300万円と保証金100万円程度が上乗せされます。
毎月のランニングコスト
ランニングコストは月30万円程度という試算があります。これは店舗条件による試算で、内訳は光熱費・テナント賃料・設備のリース料や減価償却・清掃や保守の費用です。
無人経営でも、清掃と日常点検は必要です。完全放置で回る、というイメージは捨てたほうがいい。
電気代・水道代・ガス代の高騰が収益に与える影響
乾燥機はガスや電気を大量に使います。光熱費はランニングコストの中でも比重が大きく、ここが上がると利益を直接削ります。
私がオーナーに取材して痛感したのは、料金設定を据え置いたまま光熱費だけが上がると、稼働しているのに利益が出ないという状態に陥ること。エネルギー価格の動向は、開業後も継続して見ておくべき固定リスクです。
設備の故障・メンテナンス・修繕費の実態
洗濯機・乾燥機は消耗品です。長く使えば必ず故障し、部品交換や修繕費がかかります。月々のランニングコストとは別に、突発的な修繕費を見込んでおく必要があります。
私なら、開業時に修繕用の予備資金を別枠で確保しておくことを勧めます。故障で稼働が止まれば、その間の売上はゼロです。
損益分岐点と収支シミュレーション
年収の数字だけ見ても判断はできません。月のランニングコストが30万円程度かかるなら、まずそれを上回る売上が必要です。利用料金300〜800円から、損益分岐に必要な来店数を逆算する発想が要ります。

来店客数・稼働率別の損益分岐点
考え方はシンプルです。月の固定費を1回あたりの平均単価で割れば、最低限必要な利用回数が出ます。仮に月のランニングコストを30万円、平均単価を500円とすると、月600回の利用が損益分岐の目安です。
これに初期投資の回収分を上乗せして初めて利益になります。回収期間は10年以内に収まる場合もあれば、10年以上かかることもある。立地と稼働率しだいで、この差が生まれます。
| 月の利用回数 | 月売上 | 固定費差引後 |
|---|---|---|
| 400回 | 20万円 | −10万円(赤字) |
| 600回 | 30万円 | ±0円(損益分岐) |
| 900回 | 45万円 | +15万円 |
| 1,200回 | 60万円 | +30万円 |
融資・資金調達の方法と審査のポイント
数千万円の初期投資を全額自己資金で賄える人は多くありません。多くは金融機関からの融資を組み合わせます。審査では、事業計画の精度と返済原資の見通し、そして担保となる物件の有無が見られます。
診断士として申し上げると、損益分岐点を自分で計算できる事業計画は、それ自体が審査での説得力になります。来店数の根拠を示せるかどうかが分かれ目です。
税金・確定申告・減価償却の考え方
洗濯機・乾燥機などの設備は、購入年に全額を経費にできるわけではありません。耐用年数にわたって分割して経費化する減価償却の対象です。これが帳簿上の利益を圧縮し、結果として節税につながります。
確定申告では、この減価償却費を正しく計上することが手残りの計算に直結します。ここは税理士に確認しながら進めるのが安全です。
コインランドリー経営で年収を上げる方法

年収を左右する最大の要因は、稼働率です。同じ設備でも、立地と差別化で来店数は何倍も変わります。利回り8〜12%の上限を狙うなら、ここに手を入れるしかありません。
ニーズのある立地に店舗を構える
立地選びが7割を決める、と私は思っています。ファミリー層が多い住宅街、布団やまとめ洗いの需要がある地域、駐車場が確保できる場所。ここを外すと、設備をいくら良くしても客は来ません。
自己所有の土地ありきで立地を決めるのは危険です。土地があっても需要がなければ赤字になります。所有地の活用でも、需要調査は必ず行ってください。
コストパフォーマンスのよい洗濯機を使う
洗濯機・乾燥機は初期費用と光熱費の両方に効きます。導入費が安くても光熱効率が悪い機器だと、ランニングコストで損をする。総コストで比較するのが正解です。
独自の設備を導入する
布団乾燥や大型洗濯機、スニーカー専用機など、近隣の競合にない設備は単価アップと差別化の両方に効きます。1回あたり300〜800円の単価レンジの中で、高単価メニューを持てるかどうかが手残りを変えます。
集客・差別化のマーケティング戦略
無人店だからこそ、存在を知ってもらう仕掛けが要ります。開業時のチラシ、店頭の視認性、SNSやアプリでのポイント還元。これらは競合店との差別化に直結します。
取材したオーナーの中で稼働率が高かった店は、例外なく地域への告知に手を抜いていませんでした。設備を置けば客が来る、という発想では伸びません。
知っておきたい失敗例と廃業リスクの回避策
儲からないという声が出る理由は、ほとんどが立地ミスと稼働率の低さです。前述の試算でも、月の利用回数が400回なら赤字になります。ここは正直に書きます。誰がやっても儲かるビジネスではありません。

儲からないと言われる理由
初期投資が数千万円と大きく、回収に10年以上かかる場合もある。光熱費が上がれば利益が削られる。需要のない立地では稼働が上がらない。この3つが重なると、廃業に向かいます。
逆に言えば、この3つを回避できれば安定した収益源になります。リスクは事前にほぼ見えている、というのがこのビジネスの特徴です。
無人経営の手間・労働時間の実態
無人経営は放置できる、という宣伝を鵜呑みにしないでください。実際には日常清掃、両替やトラブル対応、設備点検が発生します。完全放置は無理、というのが取材を重ねた私の実感です。
手間を減らしたいなら清掃の外注やリモート管理を検討する。ただしそれもコストとして計算に入れる必要があります。
保険・防犯対策とトラブル対応
無人だからこそ、盗難・いたずら・機器トラブルへの備えが要ります。防犯カメラの設置、保険への加入、トラブル時の連絡先表示。これらは開業時に必ず整えておくべき項目です。
また、店舗の衛生管理は公衆浴場法や旅館業法ではなく、所在地の条例・指導の対象になる場合があります。開業前に必ず保健所・自治体の担当部署で確認してください。
退去・撤退時のコストと出口戦略
見落とされがちなのが撤退時のコストです。賃貸物件なら原状回復、設備の撤去・処分にも費用がかかります。始める前に、やめるときいくらかかるかも計算しておくのが私の流儀です。
出口戦略を持っておくと、いざというときの判断が早くなります。傷が浅いうちに撤退できるかどうかが、損失を左右します。
コインランドリー経営をする3つのメリット
リスクを書いてきましたが、条件が合えば魅力的なビジネスなのも事実です。節税・安定性・収益性の3点で整理します。

節税効果が見込める
高額な設備は減価償却の対象になり、複数年にわたって経費化できます。これが帳簿上の利益を抑え、節税につながります。土地を持っている人にとっては、相続対策の選択肢にもなります。
収益が安定しやすい
洗濯という需要は景気の影響を受けにくく、リピート利用が中心です。立地さえ合っていれば、月ごとの売上が極端に乱高下しにくい。これは飲食などと比べた強みです。
高い収益性を誇る
利回りの目安は8〜12%、平均約8%という記載があります。無人で運営でき人件費を抑えられるため、稼働率が高い店舗では収益性が際立ちます。前述のとおり、これは立地と稼働率を満たせた場合の話です。
コインランドリー経営の始め方5ステップ

ここからは実際に始める手順です。私が開業支援で案内している流れを、5つに絞ってまとめます。
経営形態を決める
まず個人経営かフランチャイズかを決めます。ノウハウがなく手厚い支援が欲しいならフランチャイズ、コストを抑え自由度を取るなら個人経営。ロイヤリティ5〜10%を負担してでも支援が要るか、で判断してください。
会社への相談と市場調査
コインランドリー会社や開業支援先に相談し、候補地の需要を調べます。周辺の世帯構成、競合店の有無、駐車場の確保。この市場調査の精度が、損益分岐の到達しやすさを決めます。
店舗の準備と必要書類の提出
物件契約、設備の選定・設置、内装と電気ガス工事を進めます。あわせて、所在地の保健所・自治体に必要書類を確認し提出します。衛生管理の取り扱いは自治体ごとに異なるため、ここは早めの確認が要ります。
複数店舗展開による年収アップの現実性
1店舗の年収300〜400万円を増やす王道は、2店舗目以降の展開です。1店舗で得たノウハウを横展開でき、運営の効率も上がります。
ただし、その分だけ初期投資と借入が積み上がります。1店舗目を黒字で安定させてから次へ、というのが私の勧める順番です。最初から複数を狙うのは、資金繰りの観点で勧めません。
コインランドリー経営の年収に関するよくある質問
最後に、相談の現場でよく受ける3つの質問に答えます。

よくある質問
最後に率直な一言を。コインランドリー経営は、放っておいて儲かる商売ではありません。でも、立地・稼働率・光熱費という3つのリスクは事前にほぼ見えています。まずは候補地の需要調査から始めてください。それが赤字回避の最初の一歩です。
- running-laundromat.com|コインランドリー経営の収益
- senkaq.com|コインランドリー経営の収入
- tosei-corporation.co.jp|コインランドリー経営コラム
- s-usagi.co.jp|コインランドリー経営ブログ
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- 電解水素水洗浄に関する資料(PDF)
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